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本紙編集長榎本ゆかりがこれまで取材してきた情報を元に、家主相続の現場やこれからの賃貸市場について思うままに書き連ねた注目ブログ。


by zenchin

若者定住促進住宅

少子化対策を実施する自治体が多いなかで、長野県下条村が運営する「若者定住促進住宅」が注目を集めています。
若者定住促進住宅とは、子供を持っているか、これから産むつもりの夫婦、結婚予定の若いカップルだけが入居でき、家賃が相場の半分というもの。
掲載していた新聞記事によると、現在、9棟・112戸あり、常に入居倍率は3倍、周辺市町村から移住者が多く、出生率が10年足らずで1.8人から2.12人へと上昇しているようです。

面白い、かつ思い切った政策を打ち出して、成果を上げていますよね。
関心を持った私は村役場に電話。気になった所有関係について聞いてみました。
住宅の所有者はすべて村。土地については地主から購入しているケースと借りているケースとがあるということでした。
村では97年から毎年1棟ずつ建設しているということだったので、村民から「ぜひ自分の土地を使ってほしい」という声はないのかと聞くと、「ない」ということでした。むしろ、話を持ち込まれたら「役場が行うことに協力するか」と、提供するというのです。
なるほど、自分の土地をそのままの状態で守るという意識が根強いのですね。

実は、村役場に電話する前の私は、運営が村でも所有者が地主であれば、この政策は土地活用としても有効だと思っていたのです。
本当の過疎地と呼ばれる村ではこの考えは通用しないかもしれませんが、都市郊外の市町規模であれば、結構有効な手段ではありませんか。
特に実勢価格よりも路線価が高く、相続で悩んでいる郊外地主の救済になるのではないでしょうか。

自治体も建設費を負担することはないですし、入居者が支払う家賃は低くてもその分自治体から補助を出してもらうという方法を取れば地主もマイナスにはなりません。
人口を増やして財政強化を図れて、地主にも還元できる対策(もちろん、どの地主でもというわけにはいきませんが)のように思えるのですが。
いずれにしても、賃貸住宅の着工数が増えている中で、今後自治体との連携を考えていく必要があると思います。

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by zenchin | 2006-10-09 22:05