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本紙編集長榎本ゆかりがこれまで取材してきた情報を元に、家主相続の現場やこれからの賃貸市場について思うままに書き連ねた注目ブログ。


by zenchin

認知症と相続

最近よく耳にする言葉の一つに“認知症”があります。
認知症患者をめぐる事件やトラブルなど社会問題としてニュースでもよく取り上げられています。
ただ私は、周りに認知症の方がいないので、あまりピンと来ていませんでした。

ところが、先日、ある話を聞いてとても関心を抱くようになりました。
というのも、先週、相続問題や借地問題などの相談を手がける専門家にお会いしたのですが、その方が「最近、相続の相談で数件、親が認知症というケースが立て続けにあったんだよ。認知症になってしまうと対策が取れないから大変なんだよね」とお話しされたからです。

なぜ、親が認知症にかかると対策が取れないか。
わかりやすくいえば、判断能力のない人が他人の口座にお金を移すことや、所有物件の売買の決済をすることなどができないからです。
それなら成年後見制度があるじゃないか、と思われる方もいると思いますが、成年後見制度はその人にとって利益になるかどうかわからないことに対して、なかなか行使できないのです。
つまり、相続対策といっても、法定相続人が被相続人の意思に反して財産を勝手に扱ってしまう恐れがあるからです。

寿命大国日本において、ますます認知症患者は増えるでしょう。
認知症にかかってからでは対策は困難です。
相続対策を考えている方は健全なうちに少しでも早く手を打つことが重要です。
まさに「相続は事前対策に勝るものはなし」ですね。

さて、全国賃貸住宅新聞で私の連載コラム「知られざる家主相続の現場」が再スタートしました。
月1回ですが、ぜひまたご拝読のほどよろしくお願い申し上げます。

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# by zenchin | 2007-02-25 00:14
近年、空室率の上昇により、サブリース業者に不良物件の解約を進める動きが見られます。
そんな中、昨日会った管理会社の社長から興味深い話を聞きました。

今年の初め、大手サブリース会社から解約されたオーナーが地域密着で展開している同社に管理依頼をしてきたそうです。基本的にサブリースはあまり引き受けない会社だったのですが、どうしてもサブリースでお願いしたいとのことだったので、賃料査定を綿密にして、この金額であれば引き受けると話したところ、オーナーは了承。受託することになりました。

その管理会社の社長曰く、「おそらく大手サブリース業者は展開エリアが広いのでフォローし切れない物件も少なくないだろう。担当者の力量具合にもよるが、基本的に客付けを他の仲介会社に任せているので、思うように空室が埋まらないケースも出てくるのではないか。あまり稼働率の良くない物件はたいした精査もせず、切り捨ててしまっているのではないか」。

さらに、「その点、地域密着で複数の仲介店舗で展開しているような管理会社は賃料査定から、入居者の動向まで綿密に把握しやすいので、失敗はあまりない」と語っていました。

なるほど、オーナーにとってみれば、捨てる神あらば拾う神ありというところでしょうか。
一方、入居者獲得が厳しい時代では、地域密着型の管理会社にも新たなチャンスが出てくるような気がします。
なんだかんだ言っても、一般管理3%時代において手数料が取れるサブリースにはうまみがありますから、厳しく精査した金額でも委託したいという人が現れればメリットは大きいでしょう。

引き続き、「週刊全国賃貸住宅新聞」を宜しくお願いします。
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# by zenchin | 2007-02-21 06:01

新勢力

職場復帰して早2カ月。
取材してこの業界に大きな変化が現れていることに気がつきました。
新勢力の登場です。
新勢力とは、中小企業転業家主のこと。
彼らは本業を廃業して背水の陣で、この賃貸業に取り組んでいます。
従来の家主と大きく違うことは、事業拡大が至上命題であることです。
事業拡大を考えたときに、所有物件を増やすということだけにこだわっていては、限界があります。そこで、自分の所有物件で得た管理ノウハウを武器に、他の物件の管理まで展開していこうという動きが出てきているのです。
今はまだ小さな動きに過ぎませんが、上場準備している企業や公営物件の管理受託を増やしている企業などが出てきています。
異業種の中小企業が賃貸業に転業するケースは今後どんどん増えていくでしょう。
彼らが新勢力として業界を揺さぶる存在になるという予感がするのは私だけでしょうか。

こうした動きなども今後新聞の方で取り上げて生きたいと思います。
引き続き本紙「全国賃貸住宅新聞」を宜しくお願いします。

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# by zenchin | 2007-02-20 07:21
おはようございます。
年が明けたと思ったら、もう1月は終わりですね。月日が経つのは本当はやい。
2月といえば、私立中学入試がスタートします。先週取材で会った会計士さんもお子さんが中学受験を控えているとおしゃっていました。
中学受験といえば、私が小学生だった頃、2月1日というのは雪がよく降って大変でした。
極度の緊張状態の上に、悪天候で試験会場にちゃんと到着できるかという不安まで襲いかかってきましたから、小学生にとってプレッシャーはすごかったですね。
近年、暖冬で雪の入試は少なくなっているでしょうね。

さて、今年2007年は団塊の世代がリタイアを迎える年として注目されています。
この業界でいえば、私的年金づくりを目的に不動産投資を考える人が増えるのではないかということが関心事の一つでしょう。
ゆえに「私的年金づくり =(イコール) 中高年」という公式ができあがっていたのですが、昨日の取材でその私のなかの常識が覆されました。
「通販大家さん」という名前で不動産をネットを通じて売買している方に会ったのですが、そこの会員は不動産投資を考えている人を中心に2万6000人超。
会員の大部分が20代後半から30代なのですが、特筆すべき点は私的年金づくりを目的として不動産投資を考えているというのです。
若いうちから年金?
正直最初はピンときませんでした。
でも、代表の金森さんに話を聞いてみると、
「マンション購入でローンを組んだら30年はかかる。保証人などをつけずに不動産投資を考えたら70歳までに完済しなくてはいけない。すると、40歳までがリミットとなる」
というのです。
同社の詳細については、弊社が3月に発行する「家主と地主」で掲載しますが、時代は変わってきているな、と実感した日でした。

ひきつづき弊社ホームページを宜しくお願いします。
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# by zenchin | 2007-01-26 06:31
おはようございます。
昨日、久しぶりにセミナーの講演をしてきました。
出産前は月4.5回のペースで講演をしていたのですが、今回は約1年ぶりとあって、やや緊張しました。
出来としては80点というところでしょうか。
こういう講演というのは、慣れというのが必要で、やはりしばらく期間が空くとときどき「間」ができていしまい詰まってしまいますね。
それでも、講演後、聴講者から「わかりやすい話でした。お宅が出している新聞はどんな新聞ですか」などと言われると講演した甲斐があるなと感じますね。

さて、昨日の講演でも話したのですが、アトラクターズ・ラボという不動産マーケティングの会社が発表したあるデータがあります。昨年4月~9月に成約した首都圏の物件約1万件を調査し、募集家賃と成約家賃の乖離状況をまとめたものです。その結果が実に興味深い。
この調査によると、調査事例数1万832件中、「賃料+共益費」を募集時よりも「上げた」が133件、「変わらず」が9405件、「下げた」が1294件だったそうです。
皆さんはこの数字を見て、どのように感じますか。
おそらく「下げた」という数字の多さに「やはり家賃は下げないと決まらなくなってきている」と暗い気持ちになる方は少なくないでしょう。
しかし、むしろ私は「上げた」という数字が1%以上あることに注目しました。
多くの人が、供給過剰気味で市況はよくないという見方だった中で、実際条件を上げて強気で貸せる物件があることに驚きました。
まさに今「二極化」が進んでいることをあらわしているのだと思います。

弊紙では、取材記事が主ですが、その裏づけをするものとして、こうしたいろいろなデータと分析内容を今後とも紙面の方に反映させていきますので、宜しくお願いします。

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# by zenchin | 2007-01-15 05:06